こう縫ったらこう呼ばれて
こちらではこう呼んでたけどあちらではああ言ってたと
何、結局同じものだ。
ということがありますので
今回紹介しますモカ縫いはよそでは何と呼ばれているかわかりませんが
社長が
「ああ、これはあわせモカな。」
とおっしゃったので小笠原シューズではあわせモカでいきます。
まずは完成図
これがあわせモカ(これは仮縫いの製甲です)
こちらはモカとモカの下にくる部分の
裁断面をあわせて縫い上げることでこの形を作ります
だから、あわせモカと呼んでいたようです
其々の裁断面はピタリと合わせられるように斜めに裁断します
その裁断面に仮止めのノリを塗って貼り合わせることで
まずはモカを形作ってしまいます
そうしてできた仮止め状のモカを木型に仮づりして
モカ縫いを施していきます
ではいつものように西川さんの実演で見ていきましょう
モカ縫い用の針で穴をあけながら
右手はモカ縫い針を抜きつつ、左手でその穴に縫い糸のついた金針を差し込む
あやをかけて
縫っていきます
一目一目、絶妙の力加減で締めながら綺麗な形を作っていきます
本当はもっと近づいて手元が撮れたらわかりやすいのですが
今回は仮縫い用の製甲とはいえ
集中している仕事のお邪魔になりますし
何より、なに勝手に撮ってんだオーラがびんびんと
これ以上の接近撮影は身の危険を感じたため今回ばかりは断念いたしました
懲りずにまたチャレンジいたします
あわせモカ、このような仕上がりです
これは革自体に厚みがありましたのでモカ縫いすることでこの形状になりましたが
薄手の革であわせモカを縫う場合は裏に補強をしないと
ぺったんこになって貧相なあわせモカになってしまいます
ちなみに今回のこれ、西川さん何の当たりもつけず目算で縫い上げていました
本人は「ダメだ。」なんて言っていましたが
本縫いにはコンディションを整え集中力を高めて
ピタリとあわせてくるはず
ええ、奴はそういう奴です
担当 根岸