2011年05月03日

ライトアングル

きょうはスキンステッチの中のひとつ


ライトアングルをとりあげてみます。




まず、ライトアングルって言葉

直角という意味なんですね、知らずに過ごしていました。


こんな調子ですから、ちゃんと説明できるか心配です




製甲のあがったものから見ていただければ、ね

ライトアングル.JPGライトアングル (2).JPG

そうです、このモカ縫いです。




ライトアングル (3).JPG

縫い上がったモカの裏はテープで補強しています






モカの革はまず表面から針をまっすぐ刺し

そのまままっすぐ裏に貫通させるのではなく

良い加減で横に向かって進路を変え

横の革の裁断面から針を出します


この穴あけに使う針は専用に加工した南京針です


ライト.JPG

作業はこんな感じで一針一針先に穴を開けてしまいます


この穴あけは慣れないと

ぎん面が裂けてしまったり(その時点で一から新しい革でやり直します)

断面から出す針の位置が一定にならなかったりとで(縫い上がったときモカの革とサイドに縫い合わせた革の断面の高さが揃うのがきれい)

綺麗なモカ縫いに上がりません



やはり西川さんもライトアングルに取り掛かるときは

ライト (2).JPG

このように慣らし運転をしてからですから



モカの準備ができたら縫い合わせていきます

ライトあ.JPGライトあ (2).JPGライトあ (3).JPGライトあ (4).JPG

このときの糸はナイロン糸を使って

縫い針は木綿針中くけを加工したものを使っています


麻糸でもよいのですがお手入れを怠ってしまった靴では

屈曲部の麻糸が切れてしまうことがありましたので


強度の面でナイロン糸を使っています

ナイロン糸でもお手入れは大切です





余談ですが

以前、新宿の伊勢丹にエドワード・グリーンのモカ縫いを担当されている方が実演でいらしてました。


たまたま誰も見ている人がいなかったので

ライトアングルのモカ縫い中、悪いかなと思いつつちょっと話しかけてみました、

日本語(カタカナ)で。



そしたら「英語は喋れないか?」と英語で聞かれました、たぶん


私は「英語は喋れません。」とカタカナとジェスチャーで答えました



そんなやりとりをしていたら英語の堪能な店員さんが現れ

通訳してもらって話ができました。



その方はとくにモカ縫いをやりたかったわけじゃないけど

たまたま担当を命ぜられたからずっとやってるそうです。

でもライトアングルは2〜3人しか今はできる人いないんだよって。

せっかく日本に来たのにこれだけの数は仕上げてこいと言われてるからって

話しながらも手は止まらずにせっせと縫ってらっしゃいました。

早く終わらせて観光するんだそうです。



モカ縫いに使っていたのは麻糸で、チャンの代わりのワックスで強度をつけたものです。

泊まっているホテルのドアノブに麻糸をくくりつけて

ワックス引きをして糸作ってきたんだって言ってました

縫い針はイノシシの毛を使っていました。


三角形に切った木材を腿の上に置き

その木材の直角を使って

その上で革をわげさで固定しながらモカ縫いをします。


驚いたのはモカに下穴を開けていないこと

全て目分量でモカに穴をあけながら縫い上げてしまうんです。

正確でそして早い。


だから2〜3人しかできないってことだったんですね。



いやー驚きました。





三角形の木材を使って縫うことは製靴学校でも教わりました

そのほか木型の上に釘で仮止めして縫うという方法もあります



三角形の木材がなかったので

西川さんはこんなのを代わりに使ってます

ライトアン.JPG


ライトアングル

なんとなくご理解いただけました?




百聞は一見にしかずでしょうね、あー説明するのって難しい。


担当 根岸
posted by sinando at 12:30| manufacture