2011年05月18日

足元を見れば

以前、奥山さんから聞いたことがあります。


「足元を見ればその職人の力量が大体わかるもんだよ。」と



えっ、やはり作業中もピカピカの革靴を履いていないとダメなのかっ!





いえ、そういうことではなかったです。


だって小笠原シューズで革靴履いて仕事している人なんて一人もいませんもん。





その職人さんの足元に落ちている革屑をみれば力量がはかれる、ということでした。




主に底付けに関してのお話ですが


革靴に使っている本底といわれる革は


その名の通り底に使う革で、常に地面と接して擦り減るものです。


ですから、柔らかいとすぐに減ってしまいますので(柔らかくても繊維が密なものはもちます)


ほとんどのものが硬く繊維が密な革に仕上がっています、厚みは5mmといったところでしょうか。




この材料を革包丁で裁って靴底として成形していきます。




たとえば、すくい縫いの靴でしたらウエルトと貼り合わせるわけですから


ウエルト3mm + 本底5mm = 8mm


約8mm厚の硬い革材を革包丁で切りまわしていくことになります。




ここでわかってしまうのが、包丁の砥ぎと包丁の使い方です。



刃の角度や刃の付け方、


切れる包丁に砥げていないと力ばかりを使うことになり

思わぬケガをしたり

甲革に包丁傷を付けてしまうなんてのは最悪なことですもんね。




包丁の使い方も、引き包丁、突き包丁、表、裏


刃の使い方で切れ方が全く変わってきますから。



包丁は使う用途によって数本を使い分けています。


形や刃の角度を使いやすいように砥ぎ、幅も違うものにして。



最低4本くらいは持って、使い分けないとダメだなといわれました。




正しい包丁の使い方、こればっかりは靴の仕事の基本中の基本

とにかく体にしみ付くまで厳しく厳しく指導いただきましたです。






ダメな包丁使いは

切りまわしたコバの断面がガタガタ、ボサボサ

切れない包丁だとちょこちょこ細かく切ることしかできずに断面が均一になりません

足元には細かい革屑ばかりが…


コバを上から見た時に綺麗なラインに整っておらず

無意味に出てたり引っ込んだり凸凹


何より時間ばっかりかかってしまってダメなんです。




こんなこと書いてる僕も含めまして、はじめは皆そこからですから。


根気よく、一つ一つ意識して考えながらやり続けるしかないのですね。






奥山さんの見てきた腕の良い職人さんは

足元の革屑が一つ一つ長く大きく

包丁使いに迷いがないのであっという間に切りまわしが終わるそうです。



こういう基本になる仕事がきっちりできてる職人は


仕上げた靴にもそれらの要素が必ずあらわれてくると。







あくまで僕ら靴製造屋としての話です。





足元.JPG足元 (4).JPG足元 (2).JPG足元 (3).JPG





僕の足元、

足元 (5).JPG

奥山さんはどう見てるんでしょう?







怖くて聞けない。


担当 根岸
posted by sinando at 19:36| manufacture