2010年12月28日

ブログ開設より

あっという間の年末で、小笠原シューズは本日仕事納めとなりました。






今年の1月、


何もわからない状態からブログをはじめることになりまして


それでもなんとか1年間続けることができそうです。







συναντωをはじめるにあたり、是非とも情報発信せねば







青木君がどうやらパソコン関係に明るいとの未確認情報を


あろうことか鵜呑みにしてしまい


「よし、青木君に聞きながらやれば何とかなるか!」


の、自身の浅はかさに苦しんだ1月。



あれからもうじき1年経つのですね。



青木君はそれほど詳しくありませんでした。





やっとのことで小笠原シューズブログ開設まで漕ぎつけ、

ぎこちない1本指打法での入力作業。



「さあ、記念すべき初投稿完了だぁ。」


どう検索しても小笠原シューズのブログを見つけられない。







「おー、青木くぅーん。昨日は2人も訪問者がいたぞぉう。」

「俺、昨日見ましたよ。」

「そぉう、僕も昨日見たから…。 2人…だな。」








未だ記事内容の薄さは否めませんが、

そんなブログにも約1年間お付き合い頂きましたこと

本当にありがとうございました。





担当 根岸
posted by sinando at 17:36| diary

2010年11月20日

演技指導

小笠原社長はかつてある舞台で演技指導をしたことがあるのです。



「俺も若いころはなぁ、板の上で…」


って話じゃないです。



たまに思いついたように掃除を始める社長

美錠なんかが入っている引き出しを整理していて



「ほら、根岸君これ。」

「なんですか、これ。」

「むかし、やったことあるんだよ。」

「へ?」


舞台.JPG
こちら、舞台の台本  昭和64年1月公演







どうやら靴職人が絡んでいるお話だったようで、

社長が靴職人の動きや仕草を俳優さんに叩きこむ、

いえ、靴職人に見えるようにちょっと教えたということのようです。




その俳優さん(有名な方です)は小笠原シューズにまで足を運んで

実際の靴作りの現場をみて動きなどを観察していたとのこと。



社長もたのまれて舞台の稽古場まで出掛けて行って指導をしたそうです。




「役者さんはたいしたもんだよ、見たりちょっと教えただけで靴屋のカタチになるもんな。」


「職人も仕事は見て覚えるって言うけど、同じだな。」



実際の舞台上では製甲のシャコ止めをやりながらの場面だったそうですが

社長も驚くほど靴屋の格好だったそうです。




「へー、靴屋が登場してくる舞台なんてあったんですね。」

「お話ってどんな内容だったんですか?」




「…、忘れちゃった。」




ちなみに舞台上では黒×白のコンビの靴を使ったそうですが

そちらは小笠原シューズで製造いたしました。


担当 根岸
posted by sinando at 11:07| diary

2010年11月13日

経年変化という

靴や鞄など、革で作られたものに興味のある方々(僕も含め)の大好物な言葉



「経年変化」



なんて素敵な言葉でしょう


「革を育てるっ」

なんて雑誌の表紙に書いてあったら、まんまと僕は甘い蜜に吸い寄せられてしまいます。



ただ、革ならどんな革でも味わい深い変化を遂げるというわけではないんですよね。


どんなことでも魅力的なものには、やはり何かしらの理由があるものなのでしょう。





そこで今日紹介いたしますのは、経年変化界ではもうおなじみの


バタラッシー社


そうです、イタリアのタンナー。

古来の「バケッタ製法」を忠実に復活させている貴重な存在。


詳細は色んなところで紹介されていますので割愛いたします。




ここの革は僕が製靴学校時代に好んで靴製作に使っていました。

まず、匂いが(香りじゃないです)独特で良いんですね


包丁で裁断した時の切り口とか、ワニで引いたときの伸び具合とか



「なんか気持ち悪いですか僕」




小笠原シューズでは使ってないんですよね

「今のところは」

と、しておきましょうね。




現在、個人的に持っているのはこれだけです
バタラッシー.JPG
色はもっと種類があるんですよ



で、これらの革を使って僕が製靴学校の卒業展示会用に作ったのが
学.JPG
2年生の時のです


魚とイグアナ…、後付けです。



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僕は18種ミシンしか持っていないので

筒の高いサイドゴアブーツは構造上縫うことができないのです


で、考えたのが
バタラ.JPG
手縫いでゴム部を縫うこと

「ゴムは必ず伸びてくるから取り替えやすさも兼ね備えているのだ」

なんて思いついたときは鼻息荒い感じでしたが


完成して木型を抜こうとしたら筒が細すぎて全く抜けない


仕方なく手縫いのゴム部分を切り離してやっと抜くことが出来ました


新品なのにゴム部分を縫い直すという失敗。


早速、手縫いの効果が発揮されましたがね。



いまだに青木君はこの出来事をニヤニヤしながら僕に話してくれます。(まったく五月蠅い)



もう6年くらい前ですね

元はこの色のコンビだったんです
バタラッシー (2).JPG




こちらは
バタラッシー (8).JPG
タンニンの革の特徴をいかして、


いかしたつもりで


刻.JPG
カービングに使う刻印でつけました


履き口は
バタラッシー (9).JPG
カンガルーレースで編みました



底付けは
バタラッシー (10).JPG
当時、授業で教わったばかりのふまずをペース(木釘)で止める方法です


何だか、テンコ盛りだったですね



革はこのコンビで
バタラッシー (3).JPG




最近はバタラッシーの革で小物なんかを作ってプレゼントすると喜んでいただけてます。


この革は使えば使うほどいい顔になっていくんだなぁ






「さあ、お前の顔はどうなんだ、根岸!」



ニキビの跡なんかもう消えない 担当 根岸

posted by sinando at 17:33| diary

2010年10月30日

ラシェリール

先週末、白金のラシェリールというお店でフレンチのランチをいただきました。


フレンチレストラン

ラシェリール
http://www.lacherir.jp/






年に数回だけ、うちの家内さまのストレス解消と毎日お仕事お疲れ様ですの感謝の意味を込めまして

共働き夫婦の、たまには贅沢dayとしてお邪魔しております。


いつもランチなのですが、予約してお料理の内容はお任せでお願いしています。



当日は天気もよく白金高輪の駅から

「今日は何が食べられるかなぁ」

なんて足取り軽く歩いているうちにお店に到着。


アイボリーを基調とした素敵なお店です。



席に案内されまして
ラシェ.JPG


早速今日のメニューを拝見です
ラシェ (2).JPG

はい、残念ですが僕ら夫婦はメニューを見ても料理を頭に描くことはできません。


ですので知ってる単語のみでウキウキするのです。


「トリュフっ、フォアグラっ、コラーゲンっ、ポワレっ?」
「トリュフっ、フォアグラっ、コラーゲンっ、ポワレっ?」

こんな調子で。


シェフ、マダム、こんな夫婦をお許しください。




そうこうしていると、グラスにシャンパンをお注ぎいただきまして

「ではでは、毎日お疲れ様でございます。」
「ではでは、毎日お疲れ様でございます。」


熱々のパンが
ラシェ (3).JPG


これは小さなお楽しみです
ラシェ (4).JPG
下の層が人参の…
上の層がたしか…


メニュー通りに料理の画像を掲載しますので詳細は…、略。


豚頭肉のコラーゲン…
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フォアグラとオマール海老…
ラシェ (6).JPG


マルシェから届いた…
ラシェ (7).JPG


牛肩ロース肉のポワレ…
ラシェ (8).JPG


食べ頃チーズ…
ラシェ (9).JPG

僕ら夫婦はお酒を飲むのが大好きで(僕はお酒に飲まれる方ですが)

お酒に合う食べものは特に好みます。


チーズは癖があればある程、思い出しても涎がです。




デザート前の…
ラシェ (10).JPG


栗の…
ラシェ (11).JPG



デザートもたいらげ
ラシェ (12).JPG
今日飲んだお酒を並べてもらってご満悦の…

もちろん全部空けたわけではありません、ちょっとずついただきました。



振り返れば
ラシェ (13).JPG
何もわかりませんが、貴重なお酒たちが並んでおりました。



最後、おいしいコーヒーまでしっかりいただきまして

「ごちそうさまでした。」
「ごちそうさまでした。」



表現が稚拙で申し訳ないのですが

「とっても美味しかったー。」
「とっても美味しかったー。」




帰りはオーナーシェフとマダムのお見送りで
ラシェ (14).JPG


と、普通はここで終るのですが






実はこちらのマダム

僕の妹でして、

オーナーの大本シェフは妹の旦那さんです。








以前、友人夫婦と一緒に訪れた際


友 人

「兄妹だなんて聞くまで全然わかりませんでしたよ。兄妹なのに顔が全然似てないんですね。」


マダム

「はい、嬉しいです。」







「あーそうですか。」




気をとり直しまして、靴屋のブログですので

シェフの足元を
ラシェ (15).JPG


こちら、実際に厨房で履いているサボです
ラシェ (16).JPG

調理器具ブランドのものだそうですが

甲は革で、底のベースは木でできていて接地面は滑らないようにゴムになっていました

ボール部で木が分割されていて、屈曲できる構造です








おかげさまで家内さまも大満足のリフレッシュ効果で

あれから毎日バリバリ働いております




めでたしめでたし。







家内さま、いつの日か私めがお勘定を… 担当 根岸
posted by sinando at 19:30| diary

2010年09月30日

棚卸し

きょうは朝から棚卸しの一日でした。


社長と二人でせっせとありとあらゆる在庫の勘定です。


まずは底材部門からとりかかります。

棚.JPG
底まわりといっても色々な製法で靴を製造していますから

底材もそれ相応に種類があってめんどくさい

あっ、いえ、大変です。



棚 (2).JPG
これはありがちな状況なのですが、

棚卸をしていると掃除が始まってしまう。


せっかくですから綺麗に整頓しちゃいましょうってことで。





「根岸君、この棚2段にしたいんだけどいいアイディアない?」


「うーんそうですねぇ、ここ3ヶ所に木の箱を置いてその上に板を渡したらどうでしょう?」


「箱じゃダメなんだよっ。棚にしたいんだから。」


「はい、ですので箱の口もこちらに向けてそれも収納に使って、その上に板を渡して…、うーんそれより小さいスチールラックの方が丈夫ですかねぇ?」


「…?」





もはやこの二人は棚卸しよりも棚作りに頭がいってしまっているようです。





それはさておき、底材部門が終わったら甲革類部門です。

棚 (3).JPG
ここは初登場でしょうか。

木型や甲革類を保管している場所です。


甲革類の棚卸しは1枚2枚ではなく、

デシかで勘定していきます。(うちだけってことはないと思いますが。)


使いかけの革もありますから、いちいち広げて見ていかないとなりません。




社長が午後不在になってしまいましたので、一人でやることに。

今回はちょっと大変なんですが、次回の棚卸しから若干簡単にできるアイディアがありますので取り組んでみようと。



そうは言っても、1枚1枚広げてみればいろいろ発見もあります。


革巻紙に名称がちゃんと書いてないものがほとんど



「ディアとかラムとかこれも、何だか同じように仕上がってんだなぁ。

書いてないとわかんないですよ、これは。

えーと、これはスペイン(マラ)何これ?」



巻紙開いたら伝票がついててスペイン(ラマ)って印字



「誰ですか?巻紙にマジックでスペイン(マラ)って書いた人は」




なんてブツブツ独り言いいながら…







なんせ古い製造メーカーですので、

ずっと眠ってた革もいくらかありまして。

棚 (4).JPG棚 (5).JPG
棚 (6).JPG

棚 (7).JPG棚 (8).JPG

このあたりは数は限られますが注文靴なら若干足は作れるかもしれませんね。




だた革によっては何十年も経ってたりしますから、

靴にしてみないことには正直革の状態もわかりません。

(実際、古い革を使ってみた時、つり込む際にギンが割れたりしたことがありましたので、そういう状態の革は製品には出来ません。)





えー、結局一人では全部やりきれませんでした。

あともう少し、明日またがんばります。




担当 根岸
posted by sinando at 19:50| diary

2010年09月25日

東靴でみつけた

先日お邪魔した東靴協会で靴を展示していた棚の隅っこに

おそらくどなたかが寄贈されたであろう古いコテ類がありました。



せっかくですのでそれらも撮影してきました。


こちらです
東靴コテ.JPG
手入れはされていないのでちょっと錆びたりしています



もしやと思い

「東靴にコテも置いてありましたけど社長が寄贈したんですか?」


「えー、憶えないなぁ?多分してないと思うよ。」


ということでしたので、どちらかの底付士の方が使用していたものだと思われます。





どんなコテかというと


東靴コテ (2).JPG
これは丸コバ用のコテですね



東靴コテ (3).JPG
これはヤハズ用のコテです


ちなみに、靴道具屋さんにヤハズ用のコテというものは売っていません。


女性物の靴などに使う薄い角コバ用のコテを

ヤハズ用に加工して使っています。



東靴コテ (4).JPG
これは半丸ゴテ


主にべベルウエストやヤハズのフマズ部分などに使います。


東靴コテ (5).JPG
これも半丸ゴテですがサイズ違いで二つ付いているタイプ

丸コバゴテに爪をつけたような形状ですね

使い方は同上です。



東靴コテ (6).JPG
これは片側が半丸ゴテで

もう片側が? なんだこれ?


ヤハズ用に似てるけど爪がついていないし…


「社長、このコテって何用ですか?」

「…、奥山さんに聞いてみな。」



「奥山さん、これ何用のコテかわかります?」

「片方は半丸だろ、もうひとつは…、額縁? 違うな。」

「ヤハズの…、爪がないしなぁ、何だかわからないな。」


ということで、判明しませんでした。




東靴針.JPG東靴針 (2).JPG
これは出し針とすくい針ですね


昔は売っていた出し針にも太さが各種あったようです。

今売っているものは太さが大体一緒ですから細いものを作るには手間がかかります。

東靴針 (3).JPG
かつての細めの出し針







「あっ、パンプスのフマズ用のコテだな。きっと。」


突然なので驚きます


女性物のパンプスなど捲りという技術でヒールを作る時に
ヒールからふまずにかけて使っていたコテではないかということです。


そのコテも底付士が自分の使いやすいように作るものだったようなので決まった形などはなかったそうです。




「男性物、女性物、両方底付けする職人さんて昔は結構いたんですか?」


「ああ、結構いたけど

ただ出来るのと品物として出来てるってのは違うからなぁ。」

「俺なんかも始めは女性物からこの道に入ったんだよ。」




おっとぅ、知りませんでした。





担当 根岸
posted by sinando at 17:17| diary

2010年09月15日

japanese shoes

きょうはOEMでの注文靴の仮縫いに日本橋まで出かけてきました。


そのついでといっては何なのですが、仮縫い終了後に神田まで足をのばしてあるところに行ってきました。



以前社長に、

「昔、兄貴と組んで作った靴を東靴に寄贈しているんだよ。」

と聞いたことがあり、いつか見に行きたいと思っていました。


兄貴というのは社長の実のお兄さんで、小笠原製靴を立ち上げた先代の社長です。


先代の社長ははやくに亡くなられてしまわれたのですが、

当時は現社長が製甲で先代が底付けというコンビで靴を製造していたそうです。


先代の社長は華奢ものの底付けを得意としていたそうで、その技術の高さは当時から評判の底付士だったようです。


当時は小笠原製靴にいなかった奥山さんからも、先代の評判の話はよく聞きますし。




で、その小笠原コンビが製造し寄贈した靴というのは、

昭和34年に東京都主催の東京商品名作展というものがあり

(いわゆる製靴技術を競うコンクールですね)

そこに出品するために製造したものです。



名作展というものは何回開催されたかは不明なのですが、当時の製靴メーカーがこぞって出品したというものだったようです。




そこで小笠原コンビの靴は優秀賞。(一等賞です)



当時の賞状では


東京都主催 東京商品名作展に出品也られ 

審査の結果 技術最も優秀と認められたので

當連盟技術保存委員に登録しこれを賞します


昭和三十四年五月二日

東京都靴連盟 会長 木内豊助



こんなです。




前置きが長くなりましたが、その靴が神田にある

社団法人 東靴協会に保管されているのでした。



東靴協会はビルの5階にあって、看板が小さいのでちょっと見つけるのに手間取りましたが到着。


突然訪問したのですが事情を話すと快く案内していただけました。

ありがとうございました。



会議室のような部屋の端っこにありましたよ。

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どれでしょう?


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これですね。



せっかくですからたくさん撮影させてもらいました
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実物は、驚きでした。

細かく見ていくと、技術的なものはこれまで見たことがないもの。

話には聞いたことがあったけど…

って技術が詰まっていますし

何より半世紀も前に製造された靴なのに歪みや捻じれが生じない状態でピタッと接地していました。


デザインなどは当時の流行や好みでいろいろでしょうが、

これは日本独特の靴ですね。




この靴に詰まっている技術的なものは、社長や奥山さんに聞きながらこれから少しづつ解明して紹介できたらと思います。





担当 根岸
posted by sinando at 19:49| diary

2010年09月11日

製甲士の昔スタイル

あるのが当たり前で疑問にも感じなかったのですが、


機械室にでかい丸太があるんです。

製甲スタ (2).JPG


これ、とくに普段何かに使われるというわけでもなく、ただ置いてあるだけ。



直径約50cm、高さ約30cmの結構立派なもんです。






丸太、

これだけじゃなくもうちょっと小振りの

製甲スタ (3).JPG

直径約35cm、高さ約30cm、

こんなのも何に使われるでもなく、別の部屋に置いてありました。




「社長が何かに使えるだろうと、どこかから貰ってきたものなのかなぁ。」

なんてずっと思ってました。




つい最近、何の気なしに

「丸太なんて二つもあって、どうしたんですか?」

社長に聞いたんです。




「ああ、あれは昔製甲に使ってた台なんだ。」



「へ?」



よくよく話を聞かせてもらうと、



昭和40年頃まで(社長の記憶です)製甲士の仕事のスタイルは、

畳敷きの床で座布団の上にあぐらをかいて、

丸太や低い台を使って製甲の作業をしていたそうです。



その時代に使っていた丸太がそのまま残っていたわけです。



丸太はケヤキで硬い材質なので、

製甲のハンマーを使ったりする作業に適していたようです。


丸太を抱えるような作業スタイルですね。




革の裁断などはあぐらをかいた状態に合わせた低い台を使っていたそうですが、

奥を高く、手前を低くして傾斜をつけるという工夫されたものだったようです。


その台にホウノ木でできた裁断用の板を載せて裁断するといった要領で。


これがホウノ木の裁断用板
製甲スタ (4).JPG
これも気がつきませんでしたが、西川さんの足元にずっと置いてありました。



今は裁断のときはビニ板を敷いていますが、ホウノ木の板はその役割だったようです。

板が傷んできたら自分で鉋をかけて平らに直して使っていたそうです。

もちろんケヤキの丸太の表面も同様に。






これは小笠原シューズにある特に古い漉き機です。
製甲スタ (5).JPG製甲スタ (6).JPG
今は使っていませんが整備すれば使えるものです



もう説明しなくても、ですが

この漉き機もあぐらスタイルに適したの高さの台に設置されていたんですね。



「なんでこんな低い台に取り付けてあんだろ?」

大掃除のときにふと思った疑問が解けました。






今ではこのような状態で、
製甲スタ.JPG


椅子に腰掛けて頑丈な台の上で作業をする製甲スタイルです。





「あれ?あぐらスタイルはまさか小笠原流なのか?」



念のため、名立たる一流靴メーカーを渡り歩いてきた奥山さんにも確認してみました


「昔は良いもの作ってるメーカーはどこもそうだったよ。」




日本の製甲士の昔スタイルのお話でした。







一日中あぐらって、昔の製甲士さんは腰が強かったのでしょうか?

担当 根岸
posted by sinando at 18:19| diary

2010年08月21日

手製靴製造の工程資料

先日、美錠を探しに浅草に行ってきました。

浅草に買い出しに行った時は、銀座線の浅草駅を出てすぐの水上バス乗り場の脇にある駐輪場にてレンタル自転車を借り、ウロウロします。

道具屋さんとかいろいろ回りたいのでいつも利用しています。

ちなみに、身分証を提示して、1日レンタル200円です。






で、美錠屋さんに向かう途中、ふと思い出しました。

それは、ちょうど東京都立城東職業能力開発センター台東分校の脇を通り過ぎようとしたところで。



東京都立城東職業能力開発センター台東分校とは、靴学校などに興味のある方には台東分校と呼ばれよく知られている国内唯一の公立製靴専門校のことです。




ここの展示室に小笠原シューズに関わるものがあることを思い出したのです。




「ちょっと久しぶりに見ていこうかな」

ってことで寄り道を。






ビデオ.JPG
展示室はどなたでも見学できますので。


靴や足に関する資料や文献などもあり、もちろんたくさんの靴や履物が展示されています。

現役時代の小錦関の足型なんかもありましたよ。






展示室の一番奥にテレビモニターがあります。
ビデオ (2).JPG
これが小笠原シューズに関係するものです

普段は電源が入っていないようなので、事務室に一声かけると見られる状態にしてくれます。




実はこれ、小笠原シューズでの手製靴製造の工程を資料として撮影したものが見られるのです。




選択スイッチ
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もちろん、紳士靴の工程が小笠原シューズでの映像です




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スイッチ押しました



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ざっと、ここまでは若かりし頃の小笠原茂好社長の作業風景でした。


若いころの映像とはいえ、さすが作業スピードが、速いです。





ここからは底付けの工程です
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こちらは、もう亡くなられてしまった底付けの職人さんの映像だそうです。


いま僕らがやっているやり方とはちょっと違うところもありましたね。





最後に、協力ということで
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有限会社 小笠原製靴 

と紹介されています。


※ 有限会社 小笠原製靴は、西東京市(旧 田無市)に移転の際に現在の有限会社 小笠原シューズに改名いたしました。




この資料映像を企画されたのは、こちら
ビデオ (23).JPG
ですので、日本はきもの博物館(広島県)でも同じ映像をご覧いただけると思います。



興味を持っていただけたら、是非足をお運びくださいませ。







撮影時期は昭和50年代の初め頃だそうです。

日本の製靴業界はもう機械生産が主流になっていた時代です。


そんな頃、今後はもう日本の手製靴の担い手がいなくなってしまうであろうということで、資料映像を残しておかなければという企画だったそうです。





それから30年以上経って、私達

微力ながら繋いでいけたらと。





担当 根岸



posted by sinando at 18:58| diary

2010年08月15日

Shoemaker pants…

パンツ.JPG

これは僕がすくい縫いをしている途中なんですが、

きょうはすくい縫いの話ではなく、

靴の下に見えている汚いズボンの話です。




これはジーンズの太腿部分にライニングの端っこの、靴には使えない革を貼っただけのものです。


なぜ革を貼っているかというと、特に底付けの仕事は太腿の上で作業をすることが多く、布地だけですとすぐに擦り切れて穴があいてしまいます。

また、つり込みなどは太腿で靴を固定したり挟んだりしながらの作業もありますので、釘で引っ掛けてしまったりもします。

足を守るためにも革を貼っています。




でも、こんなことするようになったのは、奥山さんたちが革を貼っているのを見て真似しただけなんですけどね。






で、画像の通りそろそろ僕のズボンも傷みが激しくなってきましたので秋冬に向けて新調しようかと。

といっても自分で作らなくてはいけませんので、せっかくですから作り方をご紹介。


今回は多少見栄え良くなればと、ミシンも掛けてみました。




靴の作業にはジーンズが適していると思いますので1本用意します。


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まずは自分の太腿に合った太さ大きさに革を裁断します。

これはライニングの端っこです。(デュプイじゃないですが)


デュプイのライニングだと使っているうちにいい色になってきますよ。



今回は、よく使う左太腿の一部分を補強してみます
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ノリを塗って



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貼り付けます(貼り付けた革だけデュプイです)

後でミシンをかけておきましょう


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両腿分そろいました




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で、貼る位置を決めましてボールペンで印をつけておきます



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印通りにノリを塗っておきまして


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貼れば、こうなります






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今回はミシンがけもしてみますので


初登場、根岸の18種ミシン




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はい、完成です






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洗濯するともっと革がなじんできます





小笠原シューズでは底付け担当は前掛けを使いません、手も足も自由に動かせる状態ではじめて踏ん張った仕事が出来るのだと。







そうだ!

これからは、Shoemaker pants と呼びましょう


担当 根岸





Special thanks
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posted by sinando at 15:13| diary

2010年06月06日

靴とは関係ないんですが

きょうは靴に全然関係のない話ですみません。




先週末に二日間ほどお休みをいただきまして帰省しておりました。

父が体調を崩していましたので見舞いに、手術も成功して良いほうに回復してくれそうでしたので一安心して戻ってきました。





せっかくなので、僕の田舎の紹介をさせていただこうかと。

僕は長野県の中野市という長野県内でも地味な町の出身です。


「靴屋になる」と東京に出てくるまでは地元の農協に6年間ほど勤めさせていただきました。


きのこ類や果樹、野菜、畜産、花、米などが特産です。

スーパーなどでJA中野市の特産品を発見されましたら是非お試しくださいませ。





そんな町ですので実家の周りも田んぼと畑です。


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二階の窓から


うちの周りでも葡萄やら桃やらリンゴやらアスパラやらさくらんぼやら、結構色んなものが栽培されてます



ふらふら散歩に出ても
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田んぼと畑が続いてます



こんな景色ですので実家にいるときはただボーっとしてますかね



住んでいた頃はあまり気にしていませんでしたが、静かでのんびりしたいい町です


吹く風も爽やかですし




目の前はリンゴ畑で
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ちっちゃい実がついてました
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中野市、知名度は無いですがいいとこですよ。

あ、地理的には小布施の隣で志賀高原のふもとと憶えていただければ…。





東京へ戻る前に時間があれば必ず寄ってくる場所



善光寺さん




今回もお参りしてきました



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まず仁王門をくぐりまして


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お次は山門です


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善光寺の3文字の中には鳩が5羽隠れてますよ




そして本堂です
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本堂でお参りしていたらチベットの僧侶の方がいらっしゃいました。


何やら砂曼陀羅の制作に来られていたようです、はい詳しくはわかりません。





で、お参りのあとは我が家でも愛用の八幡屋磯五郎さんの七味です。
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これを切らすわけにはいきません





これから長野はいい季節になります、ぜひ遊びに来らっしゃい。



担当 根岸


posted by sinando at 16:32| diary

2010年02月21日

Shoemaker Chair

きょうは底付け士が座っているイスの話です。




底付けの仕事は一日中座っています。

12時間くらいはあたりまえに座っているので、自分の椅子の存在はとても重要です。

作業台との高さの釣り合いも関係していて、作業効率も変わってくるほどのものなんです。

ですので、各々自分好みの高さや座り心地を見つけて使っています。






僕が小笠原シューズで働き始めたときまずしんどかったのが、一日中座っていることによる尻の痛みです。 

痔のほうじゃないですよ。

尻っぺたと尾てい骨の辺です。

慣れるのに半年くらいかかりましたかね。




ただ今では腰と背中が痛いんですけど…。

靴屋さんはちゃんと運動することが大切なようです、身に沁みます。






まあそれはそれとして、小笠原シューズの底付け士たちはこんなイスを使ってます。




まず奥山さん
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この背もたれがふかふかで、高級仕様。




これ佐藤さん
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うって変わって、ただの木の箱に座布団二枚重ね仕様。




これ青木君
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これ、もともとは布張りだったものを破けたので、安易に革張りに変えました仕様




これ根岸
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これは、誰かのお下がりの木の箱に、まな板2枚クッション2枚仕様




奥山さんと佐藤さんは隣り合わせで
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青木君と根岸は向かい合わせで
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仕事しています。


なにしろ、白黒画像でお楽しみください。





作業台もイスも、不思議なもんでなんとなく性格というか個性があらわれている気がしますよ。







あ、でも世の中にはこんな素晴らしい
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Shoemaker Chair 買うことができますので。


担当 根岸
posted by sinando at 13:04| diary

2010年02月16日

資料室?

きょうは小笠原シューズにある資料? についてです。


また古いものの話ですみません。
ここには自分の生まれた年より古いものがたくさんありまして、自分には興味のあるものばかりで、つい…。



ということで、まずこれは小笠原シューズの昔の顧客台帳。
過去台帳.JPG

かつていくつかあったお取引き先で、個人のお客様に納品した靴の詳細が記録してあります。

昭和30年〜40年代のものですから古い記録ですよね。
靴のデザインや製法、木型の修正箇所なんかが個別に詳しく書かれていました。

社長は今もこの方式で台帳をつけ続けていますよ。




こちらはモデルリスト?
005.JPG

白黒写真のアルバムで、靴の番号とデザインがわかるようになっています。
これも古いですよね。

デザインは当時の流行とかが反映されているんでしょうけど、面白いものたくさん詰まってます。





で、これ何の雑誌でしょうか?
資料1.JPG

女性ファッション誌?

いえ、これ1969-1970年頃のイタリアの靴・鞄関係業界誌。

僕、イタリヤ語なんて全くわからないので実際の内容は不明なんですが、おそらく間違いないです。




この業界誌、文章は理解できませんが見ていて飽きません。

だって中の写真が充実してますもん。  8割がた写真。


これ、
資料2.JPG資料3.JPG

資料4.JPG資料5.JPG

資料6.JPG資料7.JPG

資料8.JPG

ねっ。  洒落ててステキ。


時代なんでしょうか? お国柄なんでしょうか?

わかりませんが、セクシーなモデルさんと靴の遊び心まんてんの構図ばっかり。



少なくとも日本には、こんな感じの靴・鞄の業界誌なんて無いですもんね。




他にも日本や海外の古いカタログや雑誌があって、パラパラとやって面白がってます。







靴の画像もですね。
sukui.JPGsukui1.JPG
すくい縫いあがりました。

担当 根岸

posted by sinando at 19:34| diary

2010年01月23日

はじめまして

まずはじめに、(有)小笠原シューズを見つけて下さった事、ありがとうございます。

小笠原シューズは1955年(昭和30年)小笠原製靴として創業、以来OEMでの紳士靴の製造(注文靴、既成靴)を行ってまいりました。

このたび職人がじかにお客様と足に接して靴を作り上げるという、靴屋本来の仕事の継承も込め、小笠原シューズオリジナルの注文靴ブランドを立ち上げることになりました。


ブランド名は、 συναντω (シナンドと読みます)。



現在は3月始めのスタートを目標に準備の真最中です。
このブログではスタートに向けての進行状況や日々の仕事、情報等をつづっていきたいと思います。

注文靴始動に関する詳細は、順次決まり次第発信してまいりますのでどうぞよろしくお願いします。

担当 根岸
posted by sinando at 14:50| diary